「まねる」ことの重要性

勉強法

教育の世界でも、産業社会においても「まねる」ことが重要な役割を果たしてきました。

「まねる」ということには、「ものまね」「猿まね」などのように、ややもすればネガティブなイメージが付きまとう。
しかし、「まねる」ことの本質を考えたとき、その重要な意味が明らかになる。

『脳の外で考える』アニー・マーフィー・ポールによると、
教育の中心的な役割を果たしてきたのは、模倣=「まね」である。

また、社会でスキルをもっとも効果的に手に入れる方法も、産業革命と印刷術の進歩によって可能になった、先行事例を「まねる」ことであった。

<まねすべき理由>をまとめると次のようになる。

理由1 ほかの人をまねすることで、まねする本人はそれをフィルターにして、選択肢を効率的に選り分けられる
理由2 1つの解決法に縛られることなく、幅広い解決法を利用できる
理由3 先人の間違いを知り、それを避けることができる。

というのも、自分よりも経験も知識も豊かな人をまねた方がうまくできる確率向上するからである。
それゆえ、ビジネスでは、パイオニアが成功するとは限らず、「素早い二番手」(機敏な模倣者)の方が成功する可能性が高い。
模倣者は、自分でソリューションを考案していたら、費やしていたであろう試行錯誤のための時間とリソースを、節約できるからである。

ただし、うまくするには、優れた成功(失敗)の原因の分析力と究明力が必要である。

例えば、医療ミスを減らすには、航空業界が人為的ミスをなくした方法を「まねる」ことが効果的である。

ただそれを活かすためには、違う事例を活かすための、失敗理由の分析力と成功理由の究明力が必要である。

ICT、バイオテクノロジーの発達した現在こそ、模倣の黄金期である。
他分野の成功事例と失敗事例を分析・究明し、それに学び、「まねる」ことは、これからますます、重要になり、尊重される存在になるだろう!

なお、余談だが、リードしている会社は、追いついてくる後続のライバルのソリューションと同じことをする=「まねる」ことが効果的である。
2番手の先進的ソリューションを真似ている限り1番手は、リードを維持し続けることができるのである。

意外に思うかもしれないが、これは、すでに1番手であるものが2番手以降を突き放す、「超裏技」である。

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「まねる」ひとは立ち止まらない

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