実験心理学で分かった、効率的な学習法+数学の効率的学習法

勉強法

数学の試験でよい点数がとれる人は、何が得意なのでしょうか。

数学の学習はパターン学習だということが分かってきました。

では、具体的に見ていきましょう。

パターン分類・記憶法

数学が得意な人は、(たとえ自分では気づいていなくても)チェスの名人のように、数学の問題におけるいろいろな場面、つまりパターンを記憶しているために、テストのときに問題をスラスラ解くことができる、ということなのです。

よく数学な得意な人は、問題をじっと見ると答えが見えてくる、という表現を使うのを聞きます。
例えば補助線を使うタイプの幾何の問題を解く場合、引くべき補助線が自然に頭に浮かんでくるような人は、いろいろなパターンをより多く記憶していると考えられるというのです。

パターン分類/記憶法で、パターンを重視した学習を続けると、まさに将棋や囲碁・チェスの名人が早指ししても強いように、問題を解くスピードが上がってきます。目の前に、正しいと思えるパターンが浮かんでくるからです。

テストのときにもスピードが重要になるのはいうまでもないことですね。こんな能力を身につけるためにはふだん、どのような勉強をしたらいいでしょうか。

パターン学習力を高める「知覚学習」

「知覚学習」は、正解に関連したパターンの情報だけを、たくさんの候補の中から素早く取り出す能力を高める学習方法です。

知覚学習が進むと、問題を流暢に解く能力も向上することがわかっています。

数学の能力が知覚学習と関係しているという考え方は、最近の心理学研究からわかった新しいものです。

ですので、残念ながら、市販の問題集で知覚学習の理論に沿った形で勉強をすることは、今のところはできません。しかし自分で知覚学習を行うことはできます。

志望校の過去問など多様な問題に取り組みます。考え込まずに、5分から10分取り組んだら、すぐに正解をチェックします。これが重要です。すぐに正解を知ることを専門用語で「フィードバック」といいます。この作業を繰り返すことによって、問題を見ただけで、そこに「パターン」が見えてくる「知覚学習」の能力を向上させることができるのです。

利用したいテキストは、例題が豊富で、できるだけ多くのパターンを扱っていて、かつ、解説が詳しい参考書を使いましょう。例えば、白チャートや黄色チャートで解法をマスターしてから青チャートに進むといいでしょう。

注意点は、決して考え込まないこと。解法パターンの引き出しを増やすことが目的です。

まとめれば、数学はできるだけ多くのパターンを使えるようにすることで誰でも得意になる。そのためには、すぐに正解を見て「フィードバック」を行い、まずは、使えるパターンを増やしましょう。

囲碁・将棋・チェスなので、まずは定石を正しく・多く覚えたひとが強くなるのと同じです。

今回は、最新の実験心理学の研究から見た、数学を得意になる方法について述べました。

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